注目が良い結果を生む?!

注目 心理学
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前回、人は暗いところでは、平気でズルができる生き物だという実験を紹介しました。

本日はそのお話の続きを記事にしていきたいと思います。

我が家のお嬢の「ズル」や「ウソ」が、どうすればいい具合に無くなるのかな?という私個人の悩みが解決できればと思い、色々と心理学の文献を読んでの結果なので、もし興味ある方はお付き合いお願いします。

ホーソーン効果

家族でも仕事場でも、地域の皆さんでも、色々な人がいますよね。

それぞれの行動について、その人の気持ちや心の状態によって、何かに取り組んだ後の結果は、多少なりとも変化すると思います。

例えば、毎日業務で書いている日報があったとして、クオリティには波があると思うんです。

営業マンの毎月の売り上げ成績が変わることも、ママの料理の味に変化があることもあると思います。

このような、人間の心理状態によって結果が変わる、特に他人からみられていることで、ポジティブな結果になる心理現象を「ホーソーン効果」と言います。

では、そのような名前がついた経緯からみていきましょう。

ホーソーンの実験

アメリカ:イリノイ州のシカゴに実際にある「ホーソーン工場」というところで行われたことが、この名前の由来です。

工場長は、「どうすれば、スタッフの作業効率が高まるのだろうか?」という悩みを持っていたのだとか。

作業効率を高めるための実験が、今回紹介する取り組みです。

【1924年から1932年に行われた調査です】

調査員は、次のような実験をやってみました

ホーソーン工場の実験

・各作業場の照明の明るさを変える

 (うす暗くして、手元を見えにくくする)

・スタッフの休憩時間や時給なあどの労働条件を変更する

 (休憩時間を減らす、時給を下げる)

意地の悪い内容ですね。

作業効率が下がるような環境を作ったのですね。

実験の結果

さて、作業効率の結果はどのようになった思われますか?

私は、悪くなるに決まってるやーんと思いました。

しかし、いずれの実験も、作業効率は上がりました。

照明が暗くなったり、時給が下がったりして、労働する環境が悪くなったのに、生産性が上がったというわけです。

なぜ、このような結果が出たのでしょうか?

実験に参加した調査員は不思議に思い、調査に乗り出しました。

調査の結果より、「他人に見られている」という心理状態が、作業効率を上げたと結論づけられました。

具体例

なんだか、納得がいかない内容ですかね。

ところが、実際に私たちの生活の中でも似たような具体的な例があるなとと思うのでみていきましょう。

学校の行事

皆さん、日本人の方であれば、授業参観や運動会など、親や祖父母が自分たちの姿を観に来る行事があったかと思います。

その時のことを思い出して見てください。

「今日は、親が見にきているから、頑張ろうかな」という気持ちになった記憶はありませんか?

私は、あります。

また、我が家のお嬢は、最近「プログラミング教室」に通っています。初回の体験の時は、親の目を気にしながら張り切っていて、いつもより生き生きとした感じで、先生の教えを受けていました。

お嬢の頑張っている姿をみた後は「頑張ってたね。良かったよ!」という言葉をかけてあげられるので、自己肯定感をあげる機会にもなると感じますね。

自宅での過ごし方

皆さん、自宅での過ごし方も振り返って見てください。

自宅、特に自分のお部屋がある方やお一人暮らしの方は、自分だけの空間があると思います。

その空間では、好き勝手していませんか?

下着姿で過ごしてみたり、だらしない姿勢をとってみたり、大声で歌ってみたり。

放屁(ほうひ)も誰にも気にせずできますよね。

これは、ホーソーン効果の逆バージョンだと言えますね。

会食

尊敬する上司や気になっている異性との会食はどうでしょう。

いつもと同じように、食事されていますか?

人に見られているということで、いつもなら何も気にせずバクバクと進む食事も、相手のペースをみたり、お醤油を渡すなどの気遣いをしたり、仕草も変化が出ているのではないでしょうか?

私は、そのような意識的な行動をとってしまうな〜と振り返ります。

新型コロナウイルスの影響で、最近は会食がめっきり減ってしまいましたが、またそんな状況を楽しみたいなぁと思ってしまいます。

ズルい行動について

前回のブログ記事でも書いたことと関連するのですが、犯罪は、昼間よりも夜間に発生することが多いようです。

人は、暗い場所だと平気で「ズル」をしてしまうという「チョン・チェンさん」の論文にもあった通りですね。

「たくさんの照明こそ最高の警察」というやつです。

活用

今日は、ホーソーン効果について紹介いたしました。

この効果は、目標達成にも効果が期待できる心理効果だと言われています。

達成したい目標がなかなか達成できない方、またはプロジェクトチームの皆さんは、他人から見られているという環境にすれば、良い結果が期待できる心理作戦です。

お嬢のことで言えば、私たち親が「あなたのことをちゃんと見ているよ」という環境やメッセージがあれば、良い結果が期待できるものだと感じました。

タイミングが良いもので、今日から新学期です。

早速、今朝のあいさつから、お嬢にしっかり「君を見ているよ」というメッセージを投げかけて、またそういう環境を作っていきたいと思います。

最後に

今回紹介した「ホーソーン効果」は、自らの成長の機会にも活かすことができる心理効果だと思います。

何か、具体的な目標がある方は、その理想とする人と一緒に行動して「見られている」という状態を作るといいのかなと思います。

他にも、禁煙したい方や、禁酒したい方、減量したい方にとっても、活用できることかと思います。

身近な人たち「私は今日からタバコは減らします」「お酒を控えます」「体重を減らします」などと宣言をすることで、見られている!という心理から、良い方向に生活できるようになるような気がいたします。

注目される環境を作ってみるということでしょうかね。

追伸

宣言したり、注目されたりしていると「相手の気持ちに応えたい」と思うのが人情だと思います。

これが好ましい結果を生むのかなと感じました。

ただ、この実験については、別の見方も存在しています。

「ホーソーン工場」が名前の由来だと紹介しました。

この実験、実はあの有名な「ハーバード大学」が行った実験なのです。

「どのような環境を作れば、生産性が上がり、作業効率が改善されるのか」という仮説のもと実験が行われました。

参加した工場スタッフからすれば「あの有名な大学に協力している」「自分たちは選ばれた人間なんだ」という意識が働いて、悪条件にも関わらずスタッフの行動が変化したのではないかという考察もされています。

とはいえ、人から注目されているということは「何とか良い結果を出したい」という心理になりやすいことは間違いない気がします。

少なくとも、子供からすれば「親が見てくれている」という環境は、安心感やモチベーションの観点からもマイナス面は少なく、良いことではないかなと感じます。

貴方はどうお感じでしょうか?

最後まで、お読みいただきありがとうございます。

私は、今日から早速、今まで以上にお嬢に注目していきたいと思います。

コメント

  1. ヒロ より:

    ホーソン工場の人は、監視されていて、致し方なく行動した結果かも知れません。
    それなら、あまりいい結末じゃないなと思いました。

    誰がみていなくても、自分は自分のことをみていると思います。

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