自分でできる子に育てる
子育てや、役職をもって「人を育てる」経験をされた方なら、皆さん「わかる!」と言われると思います。
ほめ方や叱り方の難しさ。
私は、「これでいいのかな」と思いながら子育てして、10年以上が経ちます。
今回は、下記のようなお悩みをもっている方にお勧めの記事になっています。
こんな方にオススメ
・ほめ方が今イチわからない
・子どもの自立心を伸ばしたい
・ほめ方の答えあわせがしたい
ほめ方の種類やポイント、鉄則が明確になります。
今回、あなたと一緒にみていきたいのはこちらの本になります。
2020年4月:株式会社ディスカバー21より発行されています。
本作品を読むことで、あなたも自分でできる人を育てる達人に1歩近づけると思います。
今回は、特に「ほめ方」に焦点をあてていきます。
「ほめ方の極意」を、一緒に見ていきましょう。
著者プロフィール
島村 華子(しまむら はなこ)氏
オックスフォード大学 修士・博士課程修了(児童発達学)
モンテッソーリ&レッジョ・エミリア教育研究者 。
上智大学を卒業してから、カナダのバンクーバーに渡り「モンテッソーリ国際協会(AMI)」の教員資格免許を取得されています。カナダのモンテッソーリ幼稚園での教員生活を経て、 オックスフォード大学にて児童発達学の修士、博士課程修了。
現在は、カナダの大学で、幼児教育の教員養成に関わっておられます。
日本人の特徴
ほめ方や叱り方で、親子関係や子供の育ち方に大きな影響があるようです。
特に、日本人には「自己肯定感」が低い子どもが多いのだとか。
これは、ほめる量が不足している訳ではありません。
非効率な「ほめ方」が原因と考えられています。
では早速、ほめ方の種類から確認しましょう。
ほめ方は3種類
ほめ方には3種類あると、著者の島村さんはいいます。
・おざなりほめ
・人中心ほめ
・プロセスほめ
それぞれ簡単に見ていきましょう。
おざなりほめ
これは、具体性に欠ける「ほめ方」です。
どういうところが、どんな風によかったのかを言わない、中身の無いほめ方です。
例えば、「上手だね」とか「すごいね」という声かけですね。
人中心ほめ
これは、表面上の特徴を中心にほめる方法です。
性格や能力、外見などですね。
例えば、「頭がいいね」「かわいいね」「優しいね」などの声かけです。
プロセスほめ
これは、プロセス(過程)や取り組んだものに対する努力をほめる方法です。
試行錯誤した手順などを対象にします。
「がんばって最後までやりきったね」や「失敗しても諦めなかったね」「色々な方法をためしたんだね」などの声かけになります。
「おざなりほめ」と「人中心ほめ」は良くない
紹介した3つのほめ方で、「おざなりほめ」と「人中心ほめ」は良くないとされています。
この「ほめ方」ばかりされた子供は、次のような問題が起こりやすくなります。
・ほめられ依存症
・興味関心を失いがち
・チャレンジ精神の低下
・モチベーションの低下
ほめられていない間は自信がもてずにいます。
外部からの承認でしか自分の価値を見出せなくなります。
例えば、子供が絵を描いて、あなたに見せたとしましょう。
その時に「上手!絵の天才だね」などと言ってもらえないと「私の絵は下手なんだ」と思うようになります。
「うまいね!すごい」と言われ続けていると、子供はほめられることが快感になります。
次はどうすればほめられるかな…ということが中心になって、ほめられる為だけに行動をするようになります。
こうなると、今まで「楽しい」と思って取り組んでいたお絵かきが、ほめられるために行われます。
途中、ほめられなくなると「やーめた」となりやすく育ちます。
他にも、周囲からの評価が気になって、失敗することを避けるようになり、チャレンジしなくなっていくようにもなります。
更に、いつもほめられてばかりだと、努力をして何かを成し遂げる必要性を感じなくなってしまいます。
3つの「ほめ方」の研究例
わかりやすい研究例を紹介します。
小学校5年生の128人にテストをした事例です。
まず、3つのグループに分けて、それぞれテストをしました。
その後、それぞれに3種類のほめ方で声をかけました。
グループ1 おざなりほめ
「よくできたね」
グループ2 人中心ほめ
「こんな問題ができるなんて頭がいいね」
グループ3 プロセスほめ
「問題を解くために諦めずに頑張ったね」
テスト後に、子供たちにこんな質問をします。
簡単なテストと難しいテスト。
どっちがいいですか?
結果的は次の通りです。
グループ1 おざなりほめ
どっちでもいい
(どちらも50%ずつ)
グループ2 人中心ほめ
簡単なテスト 67%
グループ3 プロセスほめ
難しいテスト 92%
この数字をみただけでも、人中心ほめは、チャレンジ精神を損なっていることがわかります。
研究は、まだ続きがあります。
2回目のテスト
次に、先ほどより難しいテストを受けてもらいます。
結果、「今回はあまり成績がよくなかった」と子供たちに伝えます。
そして子供たちに次の質問をします。
結果、おざなりほめと人中心ほめのグループの多くの子供たちは「やりたくない」「楽しくない」と答えました。
一方で、プロセス中心ほめの子供たちの多くは「続けたい」「楽しい」と答えたのです。
3回目のテスト
最後に、もう一度、最初に受けてもらったテストと同じレベルのテストを受けてもらうと、驚くような結果が出ました。
グループ1 おざなりほめ
変化なし
グループ2 人中心ほめ
20%低下
グループ3 プロセスほめ
90%上昇
この結果からわかることは何でしょうかね。
「プロセスほめ」で努力をほめられたグループの子供たちは、失敗の後にもチャレンジする意欲的な姿勢を見せる子供が多かったということです。
逆に、おざなりほめや、人中心ほめの子供たちは、チャレンジする場面で消極的になり、途中で挫折する子供が多かったのです。
プロセスほめが効果的だということが分かりますね。
このほめ方にもポイントがあるので、もう少しみていきましょう。
よい「ほめ方」のポイント
よいほめ方には3つのポイントがあります。
3つのポイント
1 成果よりもプロセスをほめる
2 具体的にほめる
3 もっと具体的な質問をする
それぞれ簡単に見ていきましょう。
成果よりもプロセスをほめる
子供をほめる時に大切なことは「能力」や「性格」ではないということが先ほどの研究・調査でわかりました。
ポイントは、成果よりも途中の過程でチャレンジした姿勢や、やり方、工夫した点などに注目して励ますことが大切です。
具体的にほめる
おざなりほめがよく無いのは、この具体性が不足していることです。
具体的にほめられると、次にチャレンジする際の意欲があがります。
例えば、レゴのおもちゃで作品を作ってきたとしましょう。
その時に「沢山の色を使ったら、カラフルになったね」や「ここは前と違う色を使ったんだね」など、具体的に親が気がついた点について声をかけてあげると良いということですね。
もっと具体的な質問をする
大切なのは、親がどう思ったかではないですよね。
子供自身がどう感じたのかが大切です。
「今日は楽しかったかい?」という質問だけではなく「今日お友達と一緒に何をしていた時が楽しかった?」「どうしてそう思ったの?」など具体的に質問をすることです。
こうすることで、会話になり、更に具体的に質問することができるようになります。
子供たちが求めているもの
親は、子供になにか声をかけないと、心地悪さを感じたり、罪悪感を覚えたりするものです。
この時やってしまいがちなのが「すごいね」や「上手だね」のおざなりほめです。
ただ、子供たちはこれを望んでいないそうです。
こどもが求めているのは、新しい発見や達成感、嬉しいことなどを大好きな人と共有したいということです。
大好きで大切な人と、喜びや驚きなどの感情を共有することで、自分の居場所があるという感覚がうまれて、幸せな気持ちを味わうことができるのです。
「すごいね!」と言ってもいいとき
子供の感覚はすごいものです。
大人の、大袈裟なおざなりほめはすぐに見抜かれてしまいます。
ただ、親が心から「すごい!」と思うこともあると思うのです。
その時は、「すごいね!」と言ってもいいんだそうです。
子供は、心からの感情を受け止めて共有してくれますからね。
おざなりほめとは異なるほめ方になります。
まぁ、心からすごいと思えば、自然に出る言葉かも知れませんけどね。
さいごに
今回は、モンテッソーリ教育とレッジョ・エミリア教育の内容について書かれたものを【要約】しました。
なんだか難しい横文字ですね。
それぞれ、子供に対する絶対的な尊敬や尊重を基盤にしている教育ですが、ゴールが少し違います。
ゴール
モンテッソーリ教育 →自主性のある人
レッジョ・エミリア教育 →社会貢献できる人
子供はそれぞれパワフルな学習者で、権利をもった一市民であると位置付けられています。
子供が権利を持っていると認識することで、同じ立場の学習者であるという姿勢を忘れずに子供と接することができます。
本書には、他にも「自分でできる子に育つほめ方」の具体例がたくさん紹介されています。
・字が上手に書けたとき
・お手伝いをしたとき
・友達に優しくできたとき
・テストの点数が良かったとき
是非、本書を手にとってご覧いただけばと思います。
また、例によりKindle unlimited【キンドルアンリミテッド】では、無料で読むことができます。
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読書好きな方にはおすすめです。
今回、【要約】していてドキッとさせられる場面が多く見られました。
自分自身の子供との関わり方を、もう少し見直してみたいと思います。
著者からのメッセージ
最後に、著者の島村さんはこんなことも言ってくれています。
親自身が幸せであることが大切です。
世間が抱く理想の親である「料理をするべき」「送迎をするべき」「家にいるべき」などの同調圧力はストレスを生みます。
すでに十分頑張っているのですから、親も完璧でなくていいのです。
失敗することもありますからね。
一人で頑張る必要なんてないです…と。
子供と過ごす時間だって、量より質が大切です。
出来る範囲でできることをやっていきましょう。
では、本日は以上になります。
最後まで、お読みいただきありがとうございます。
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