与える人、貰う人、お返しする人。
生きていると、色々な人との出会いがあり、そして別れがありますね。
新学期で、お嬢たちもクラス替えがあり、色々と意見や感想を教えてくれました。新学期にワクワクしている姿を見ると、親としては嬉しくなりますね。
そんなお嬢たちに、これから楽しい毎日を送ってほしいなぁと思い、彼女たちが将来読むであろうことを考えて、愛を込めてみました。
さて、本日は、ペンシルバニア大学のアダム・グラント先生が書かれた「GIVE&TAKE【ギブアンドテイク】」を読んでの感想です。
日本には、「情けは人のためならず」や「他人には親切にしましょう」なんて言葉があります。子供の頃から何度も聞いてきまいたが、今回の著作は正直、「本当はそうじゃなかった?!」というような衝撃をうけました。
ご興味ある方は、是非読み進めてもらえると嬉しく思います。
それでは、いきましょう。
3種類の人間
本書では、人は3種類の人間が存在すると書かれています。
Giver【ギバー】とTaker【テイカー】とMatcher【マッチャー】です。
これだけでは、何のこっちゃわからないので、説明しながら進めますね。
Giver【ギバー】
何をしてあげようと常に考えている人のことです。
道で困っている人がいたら「どうされました?」と自分から声をかけます。旅行に行けば、お土産を買ってきてくれます。ゲームで面白い場面があれば、必ず他の人が喜ぶような行動をとります。
彼らはとにかく、他人に与える人たちで、基本的に見返りを求めないです。
Taker【テイカー】
この人たちは奪う人のことです。
道で困っている人がいても「自分には関係ない」と考え、スルーします。旅行先で、お土産を買ったこともほとんどないでしょう。ゲームで面白い場面がくれば、真っ先に自分が楽しめるよう行動します。
常に、自分にとって「得か損か」のみで考えます。
自分の有利な関係にもっていき、相手よりも自分の利益を優先します。
Taker【テイカー】にとって、この資本主義の世の中は、まさに弱肉強食の世界に見えています。Taker【テイカー】が与える場合もあります。それは「見返りがある場合」のみです。影響力のある上司に、機嫌よく過ごしてもらえるようにゴマをすります。
学生なら、宿題やレポートを手伝ってくれる人に親切にします。
逆に、自分にとって価値のない人間と判断すると、ものすごく上から目線で対応します。
お店に行って、定員さんに横暴な人、タクシーに乗って運転手に命令口調の人などは、典型的なテイカーの例ですね。
怖いですね。
貴方の身近にTaker【テイカー】はいませんか?
Matcher【マッチャー】
Matcher【マッチャー】は、バランスのとれた人です。
食事を奢ってもらったら、必ずお礼を言って「次は私が奢りますね」と言い、お返しをします。旅行に行った同僚にお土産を貰えば、次は必ず自分もお土産をお返ししようとします。宿題を教えてもらったら、お菓子をくれたりジュースを奢ったりします。
マッチャーは、相手から与えられた分だけお返しします。
与える割合ともらえる割合を50:50にしようとする人ですね。また、マッチャーは、嫌なことをされた場合もお返しを考える人でもあります。そのまま黙っている人たちではないので、復讐をします。
嫌がらせをされれば、仕返しを企てて実行しますし、搾取されたと思えば、取り返そうとします。
そんな一面も同時にもっています。
半沢直樹さんは、この部類の人間かもしれませんね。
現代社会に合ったタイプとは?
基本的には人間は、この3種類にわけられているようです。
皆さん、どれに当てはまりましたでしょうか?
ちなみに、世の中にはMatcher【マッチャー】が最も多いようで、アダム・グラント先生が調査された割合は、下記の通りです。
補足ですが、シチュエーションによっても違いがでるようです。
例えば、家族の中ではGiver【ギバー】だけど、仕事ではTaker【テイカー】という場合もありますからね。
では、この3種類の生き方、振る舞いで、どの生き方が最も現代の資本主義で成功できるのでしょうか。また、生きていきやすいのでしょうか。
みていきましょう。
成功しやすい順位
この3種類の人間で、成功しやすいタイプがあります。
その中でも、一番ダメだったのはGiver【ギバー】なんです。
これ見た時、私は衝撃を受けました。「なんでですか?」と。
Giver【ギバー】は、依頼されれば、何でも引き受けてしまいます。重要ではないことに、時間も体力も使ってしまいます。また、更に違うお願いも引き受けてしまう人になっていきます。
損な立ち回りをしてしまうんですね。ショックです。これだけみると、残酷な資本主義だなと思います。
一番はTaker【テイカー】・Matcher【マッチャー】?
じゃあ、Taker【テイカー】が一番成功に近いのかと言えば、そうではありません。
Taker【テイカー】は、Giver【ギバー】の次に成功できない人たちです。短期的に成功される人もいますが、長続きしないんですね。途中で、落ちぶれることになります。
もし、Taker【テイカー】が成功できる世の中なら、本当に残酷だなと思います。
では、世の中に多いMatcher【マッチャー】が成功しやすいのでしょうか?
実は、それも違うんですね。
じゃあ、最も成功しやすいのはというと、実はGiver【ギバー】なんです。最終的に、長く大きく成功できる人になります。
搾取されていたのでは?!と思っていましたが、やはり人に与える人が最終的には成功するようになっているのでしょう。
与えまくってボロボロとキラキラと成功するGiver【ギバー】との違いがあるんですね。
それぞれの特徴
3種類の人間のについて、業種別でも調査が行われました。
生産性や効率、給与面での調査です。こちらもみていきましょう。
Giver【ギバー】はTaker【テイカー】に比べて損?
その中で「エンジニア」の世界では、生産性が低く、効率が悪い人がGiver【ギバー】ということがわかりました。
何故なのでしょうか?
他の人の仕事を手伝っているために、自分の仕事を時間内に終えることができない人が多かったのです。
与える人:Giver【ギバー】は、お人好しさんでもあるんですね。
営業マンの世界の結果も見てみましょう。
何かものを売る世界では、Giver【ギバー】よりもTaker【テイカー】が2倍以上も売り上げが高いんです。
おそらく、強引な売り方で、売り上げを伸ばしたのでしょう。逆に、Giver【ギバー】は、それが出来ないので売り上げを伸ばすことが苦手なようです。
Giver【ギバー】はTaker【テイカー】に比べて、収入も14%ほど低いということもわかっています。
犯罪の被害者になるリスクも、Giver【ギバー】は2倍も高いこともわかりました。親切にしようとしているのに、損をしているとは、悲しいです。
Giver【ギバー】の真実
先ほども、長い目で見るとGiver【ギバー】が最も成功しているということを書きました。実は、エンジニアの世界について、最も生産性が高い人たちもまたGiver【ギバー】だったんですね。
営業マンで、最も売り上げを伸ばしている人たちもGiver【ギバー】でした。
学生で、良い成績を残している人たちもGiver【ギバー】だったわけです。
ちょっと、頭が混乱してきましたね。
つまりは、圧倒的に成功する人と失敗する人はどちらもGiver【ギバー】でした。Taker【テイカー】とMatcher【マッチャー】は、ほどほどという感じです。1位と4位に、与える人Giver【ギバー】が属している訳ですね。
では、1位のGiver【ギバー】になるためにはどうすればいいんでしょうか。
2種類のGiver【ギバー】
Giver【ギバー】には成功する人、失敗する人がいるということがわかりました。
最も成功する人と、失敗する人の違いがあるということも見えてきましたね。
そこで、このGiver【ギバー】の違いを紹介します。
本書には、自己犠牲のGiver【ギバー】ではなく、成功するGiver【ギバー】は「他者思考」を持っていることがわかったと書かれています。
自己犠牲のGiver【ギバー】
自己犠牲ということは、自分は犠牲になってもいいから相手のことだけを考えている人のことです。
仕事で言えば、オフィスの他のスタッフの「わからーん」「これどうしたらいいだろう」に反応して、自分の重要な仕事を一度止めて、その人の仕事を最後まで手伝ってしまう人は見かけたことはありませんか?結果的に、自分の仕事の時間がなくなり、自己犠牲をして残業をする結果になります。
時間ギリギリの出社で、焦っている時、駅で「困ったー、道がわからないー」という困っている人に、どうしたんですか?と声をかけて道案内する親切な人はご存知ですか?
道案内していて、遅刻してしまいました!というような・・・
他にも、自分の生活がギリギリなのに、率先してボランティアをされている方など。
これらの例が、自己犠牲のGiver【ギバー】になります。
この生き方では、ずっと継続していくことが難しいです。
何故なら、自分がどんどん苦しくなってくるからです。自分の犠牲を他人の幸せにつなげているわけですからね。いつか破綻します。give up(ギブアップ)してしまうわけです。
人助けやボランティアは、ある程度、自分のお金や気持ちに余裕があるから出来ることだと思います。
では、成功する「他者思考」のGiver【ギバー】はどんな人なのでしょうか
他者思考のGiver【ギバー】
他者思考のGiver【ギバー】は、相手の望みを叶えながら、同時に自分の望みも叶える人です。
自分も勝ち、相手も勝つという考えをもって、行動している人です。
仕事で言えば、オフィスの他のスタッフの「わからーん」「これ、どうしたらいいんだろう」に反応して、自分の重要な仕事を一度止める場合、最後まで手伝うのではなく、わからないポイントに絞って対応をするなどです。
教えることで、教えた側の理解も深まりますし、何より現代は「Google」という素晴らしいリサーチ手段があります。「ここを調べるといいよ」とポイントを教えてあげるだけで、お互いの時間を効率的に使うことも可能になると思います。
相手の仕事も進むし、自分の理解も進み、何より感謝されることになると思います。
ボランティア活動についても、自分が好きで活動しているのなら、それは素晴らしいことだと思います。活動した体験や感想をFacebook【フェイスブック】やInstagram【インスタグラム】、ブログなどであげることで、色々な人に情報を届けることができます。
他人からの評価が良くなったり、人との繋がりができたり、収益にもつながることがあれば、他者も自分も勝つという結果になりますよね。
これが、他者思考のGiver【ギバー】の行動です。
一見すると、受け取るものより多くのものを与えているように見えますが、自己犠牲のGiver【ギバー】とは違い、自分の利益も見失わないので、苦しくなることがありません。
あと、これは個人的な感想ですが、Giver【ギバー】については、どちらもいい人なので、付き合いたいと私は思います。
リーダーであれば付いていきたくなります。人徳を備えた、人が集まる人でもあると思いましたね。
人が集まってくる者は、このGiver【ギバー】だと思うんぢゃ!
Taker【テイカー】との付き合い方
自分自身がGiver【ギバー】になる意識や心がけも大切ですが、それ以前に私はこれが大事だと思います。
それは、Taker【テイカー】との付き合い方を考えることです。
場合によっては、逃げたり、距離を置いたりしてもいいと思います。
Taker【テイカー】は怖いです。
だって、Giver【ギバー】とも、バランスをとるMatcher【マッチャー】とも、上手くいかないわけですからね。自分がもしGiver【ギバー】なら、骨の髄まで吸い取られます。
自分がもしMatcher【マッチャー】なら、やられたらやり返したり、取られたら取り返そうとするので、消耗戦のお付き合いになってしまいます。
そして、このTaker【テイカー】のやっかいなとことは、第一印象が良い人が多いということです。
明らかに悪者っぽかったらいいですが、そうではないんですね。
そして、相手から奪うためならどんなことでもやるのです。
笑顔で愛想がいいなんて朝飯前にできる人種です。
ところが、テイカーを見極めるポイントが先生から紹介されていますので、是非参考にしてみてください。
Taker【テイカー】を見極める ①
Taker【テイカー】を見極めるには、Taker【テイカー】の表面ではなく、内面を見る必要があります。
わかりやすい例は、前半でもあげましたが、再度紹介しますね。
Taker【テイカー】が、自分と無関係の人と接する時に、どのように対応するかをみるとわかりやすいです。
例えば、一緒に、ご飯を食べにいった時に、飲食店の定員の方に、やたらと上から目線でえらそうに話すという具合です。
Taker【テイカー】は、自分に見返りの無い人は、下手をすればゴミのように扱います。
自分の友達を紹介した直後に、その友達の悪口を言い始める人も、Taker【テイカー】である可能性があります。
Taker【テイカー】を見極める ②
もう1つわかりやすい例があります。
それは、SNSの投稿写真です。
Taker【テイカー】は自分自身を良く見せようとする傾向が強いのです。
プロフィール写真が、実物よりかなり良く写っていたり、よく見える写真がやたら投稿されていたり、SNS上の友達が多いという傾向もあります。
頼み事をできる人や、奪える相手をせっせと作っているという側面があります。
最後に
今日は長い記事になりました。
なんだか、Taker【テイカー】を悪者に見えるような記事になったかも知れません。
それでも、自己犠牲のGiver【ギバー】の方には、是非ともTaker【テイカー】には気をつけて生活して頂きたいです。
そして、自分が「あ、俺Taker【テイカー】かも」と思った方も、ご安心ください。
Taker【テイカー】がGiver【ギバー】に変わる方法も、本書で紹介されていました。
詳細は、是非お手にとって読んで欲しいのですが、紹介しますね。
始めは、損をした気持ちになるようですが、何度か続ける間に。Giver【ギバー】に近づいていけるということです。行動も気持ちも変容していくということですね。
私自身、Matcher【マッチャー】かなー、自己犠牲のGiver【ギバー】かな、Taker【テイカー】の時もあるなぁと思いながら、楽しく読めた良書でした。
アダム・グラント先生に感謝です。
そして、今日も最後までお読み頂き、ありがとうございます!
昨日の自分より、今日の自分を少しでも好きになってもらえれば嬉しく思います。
コメント
その時々の環境や心理状態によるかなと思いました。
無心してくる人は話にならないし、良くないと思います。
私は、知らずシラスのうちに恩知らずになるのが怖いと感じました。
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【和訳】
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