脳を蘇らせる運動

脳を蘇(よみがえ)らせる運動

シリーズ4弾となります。

今回も、下記の著作についての【要約】になります。テーマは「運動」です。

本書

特に、アルツハイマー病との関連について書きたいと思います。40歳以上の方は、予防の観点からもぜひ、読んでいっていただきたいと思います。

結論から申し上げると、脳には1日20分・週5回以上の運動が良いと言われています。

運動は脳を元気にする

さて、著者のパールマター先生は、このような質問をしています。

次の活動のうち、頭がさえて、脳疾患になりにくい活動はどちらでしょう?

脳がさえる活動は?

1 頭を使う難しいパズルを解く

2 散歩をする

さぁ、皆さんどっちだと思われますか?

質問

答えは「2 散歩をする」です。

身体を動かすという単純な行為の方が、どんな脳トレパズルや数学の方程式、ミステリー小説や思考よりも脳に良いと主張されています。

記憶力が良くなるばかりか、長寿遺伝子にも刺激を与えるよというのです。

この運動については、量・質ともに多い方が良いようです。

また「脳に良い」と科学的に証明されてきたきたのは、2005年頃からだとされています。

けっこう最近のことなんだな〜
ごくう
ごくう

油や卵をとりすぎるとコレステロールが上がって身体に良くない…という誤った認識のように、医学や科学は進化していっているんですね。

運動の恩恵

運動をすると、脳への血流量を増やしてくれます。

散歩

それ以外に、次の5つの恩恵があると語られています。

5つの恩恵

・炎症をおさえられる

・インスリン感受性を高める

・血糖をうまくコントロールしてくれる

・記憶中枢を大きくする

・BDNFの量を増やす

「炎症」と「インスリン感受性」、「血糖のコントロール」については、過去の記事で詳しく書かせてもらっていますので、下記を参照してください。

血糖値の急上昇《いつものパンがあなたを…》【要約・感想】

記憶中枢というのは、人間の側頭部に「海馬」と呼ばれる場所があります。

ここが記憶の仕事をしています。覚えて、記録をしまっておいて、また出してくるというような仕事ですね。

BDNF(ビーディーエヌエフ)とは

横文字がでてきましたね。簡単に説明しますね。

BDNF【Brain-derived neurotrophic factor】とは

BDNFは、成長因子の中の神経栄養因子の一つであり、標準的な神経成長因子と関連している。神経栄養因子は、脳や末梢で見出される。

ー引用 Wikipedia 「脳由来神経栄養因子」

BDNFは、神経の栄養と言っていいかなと思います。

記憶中枢である脳の海馬に多く出てきますし、血液中にも存在しています。

運動をすると、これのBDNFの量が増えるというのです。

BDNFが増えると、脳神経が元気になってくるんですね。

おいら、走り回ることもするけどさー、ストレッチも怪我防止のためにやってるんだぜ。
どっちの運動の方が効果があるんだ?
ごくう
ごくう

ごくう君、良い質問ですね。

これも、120人の高齢者を対象に1年間行った研究データがあります。

高齢者

ストレッチ派よりもウォーキング派の方が、BDNFの量が多かったと報告されています。

記憶中枢も大きくなっていたことがわかっています。

これは、ストレッチが良くないという訳ではなく、歩くだけでも脳への良い影響があるという意味で紹介されています。

BDNFが分子レベルで、脳をどのように改良してくれているのか、詳細なところはまだわかっていないようです。

ただ、アルツハイマー病の予防には効果があるようです。

副産物として、食欲を減退してくれるようです。食欲がコントロールできないよ〜という方は、1日20分の散歩お勧めいたします。

運動の種類と負荷

先ほどから、「散歩」という運動の種類をあげています。

他に、「運動の強度をあげたほうがいいんじゃないか」という思われる方もいらっしゃるかな…思いますので、ある研究を紹介しますね。

ラッシュ大学の研究

ここでは、本書でも紹介されている、ラッシュ大学の、アロン・S・ブックマン博士の研究を共有します。

「記憶と老化プロジェクト」の研究です。

日常的な活動が、アルツハイマー病のリスクをどれだけ減らす効果があるかを調べる内容です。

日常的な運動

比較的じっとしているグループ、様々な種類の活動をしているグループとの間のデータを比較されています。

様々な活動の種類

・料理

・皿洗い

・トランプ遊び

・車イス押し

・掃除

対象者の平均年齢は82歳。

716人が対象で、4年弱の追跡調査が行われました。

結果、日常の身体活動がある上位グループ10%は、アルツハイマー病になるリスクが3倍近く抑えられることがわかりました。(下位10%との比較)

ブックマン博士の研究により、本格的な活動でなくても、手軽にできる活動はあなどれず、一定の効果があることがわかります。

何歳になっても、毎日の少しの活動で脳を守ことができるのです。

散歩を1日20分というのは、それらの1つの指標になります。

まとめ

医療や介護福祉の仕事をしていると、様々な患者や利用者の方と出会います。

しかも、彼ら全員が何ならかの課題を抱えています。

高齢者

課題を抱えているから、医療や介護保険をつかったサービスを利用しているわけです。

とりわけ、認知症の症状については、現場側でも大きな障壁になることが多い気がします。

その中の希望が「運動(や様々な日常生活の活動)」であるのです。

私たち健常者も含め、治療や介護が必要な方も、予防のためにエベレストを目指す必要はありません。

毎日のほんの数分、散歩を含めた色々な活動に参加することが大切だと、本書では語られています。

私も同意します。

これまでに、運動の習慣がないなぁという方は、1日20分の散歩を目指して、5分からでも初めてみませんか。

すでに、運動を習慣になさっている方は是非とも継続して下さい。そして、新しい種目をいれるとか、強度を少しあげるとか、工夫をするというのはいかがでしょうか。

きっと、脳が喜び、将来が今よりは明るいものになると思います。

今日はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

昨日の自分よりも、今日の自分が好きになれますように❤️

著者のプロフィール

本書は、医学博士とライターの方の共作となっています。

デイビッド・パールマター

デイビッド・パールマター神経医師。米国栄養学会会員で、「年間最優秀ヒューマニタリアン賞」や「ライナス・ポーリング賞」をはじめ、数々の賞を受賞されています。医学関係の様々な出版物に著作を発表されて、世界各国で講演されています。

炭水化物と糖質が、人間の脳におよぼす悪影響について、新たな見解をのべた本書は、次々とベストセラーリスト入りとなり、全世界で読まれています。CNNやFOXなど、アメリカ全国ネットのテレビやラジオに出演歴が多数あります。

2015年現在、妻と2人の子供とともに、フロリダ州で生活されています。

クリスティン・ロバーグ

クリスティン・ロバーグ

健康・医療分野を得意とするライターです。コーネル大学を卒業。全米ベストセラーNo1になった本書の他にも『ジエンド・オブ・イルネス - 病気にならない生き方 』など共著が多数あります。