血糖値の急上昇《いつものパンがあなたを…》【要約・感想】

血糖値の乱高下 感想
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血糖値を急上昇

さて、今日も下記の著作について【要約】をして、皆さんにそれに対する私の【感想】をのせて、ご提案をしていきたいと思います。

本書

では、いきますね!

血糖値を急上昇させる【食材】

早速ですが、本書でも出されていたクイズを、皆さんと一緒にやりましょう。

クイズ

著者のパールマター先生は、よく講義でこの問題を出されるようです。

次の食材のうち、最も血糖値を急上昇させる食材は、どれでしょうか?

血糖値を急上昇させる食材は?

1 全粒小麦パン

2 チョコバー

3 精白糖おおさじ1杯

4 バナナ

答えは、3の「精白糖おおさじ1杯」ではありませんよ。

私は間違えてしまいました💦

では、GI値【じーあいち】でみてきましょう。

GI値とは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後血糖値の上昇度を示す指数のことですぞ。
つまりこのGI値が高い食材を食べると血糖値が急上昇するのです。

博士
博士

博士ありがとうございます。そのGI値で説明していきますね。

GI値

1 全粒小麦パン     71

2 チョコバー      55

3 精白糖おおさじ1杯  68

4 バナナ        56

ということで、答えは1番の全粒小麦パンでした。

健康に良いと思っていた「全粒小麦」が最も血糖値を上げるなんて、驚きです。

全粒小麦と「炎症」

全粒小麦パンが、もっとも血糖値を上昇させる食材でした。

全粒小麦パン

この数値は、精白小麦で作ったパンと同じレベルです。

著者は何が言いたいかというと「全粒小麦は、精白小麦よりも健康に良い。この考えをもうやめよう」と。

30年以上前の1990年代には、この事実は知られていたのです。

でも、どういう訳か、多くの人たちは、そんなことはありえないと考えています。

結果として、小麦を摂取することで、血糖値が急激に高まり、インスリンの働きにより治まりを繰り返します。

血糖値が乱高下する状態になっているんです。

この過程で、身体中に「炎症」が起こっているのです。

「炎症」とは、身体の中で火事が起こっているようなものですな。
身体のホメオスタシス(恒常性)を構成する解剖生理学的反応の一つでありまして、恒常性を正常に維持する非特異的防御機構の一員でありますな。
博士
博士

ちょっと難しいですが、身体の中で火事が起こって、それを消火しようとしている身体の反応とご理解ください。

ちなみにこの「炎症」は、老化の3つの要因の1つと言われています。

他の2つは以前も紹介した「酸化」と「糖化」です。

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血糖値が急上昇するとインスリンが頑張る

血糖値が上昇すると、膵臓(すいぞう)でインスリンが分泌されます。

膵臓

インスリンが増加すれば、細胞はインスリンの声かけに対して、細胞に糖分を取り込んで、正常値に戻そうとしてくれます。

ところが、血糖値の乱高下が頻繁に繰り返されると、インスリンの声かけが細胞に届きにくくなります。

インスリン感受性が低くなるんですな。
博士
博士

さすが博士です。その通りです。

細胞に、インスリンの声が聞こえにくくなってくると、膵臓は「おかしいなぁ」「もっと大きな声で伝えてみるか」と考えます。

すると膵臓は、インスリンの分泌量を増やしていきます。

インスリンの値が高まると、それが原因で、細胞はインスリンの声かけに対してますます反応を鈍くしていきます。

すると、膵臓は、更にインスリン分泌量を増やします。

膵臓は、そうすることで、何とか血糖値を正常な状態に戻そうとする訳ですね。

これが長年繰り返されると、血糖値が正常に戻っているのに、膵臓はインスリンを分泌するようになります。

王さま
王さま
悪循環ではないか?!

インスリンが過剰に分泌された後

血液中にある糖分を、細胞に取り込むために働くインスリンです。

このインスリンに細胞が反応しないとなると、糖は細胞に取り込まれにくくなります。

すると、血管内に「糖質」が漂う時間が増えます。

糖質

糖質が血流の中に長い時間あると、多くの問題を引き起こしていきます。

糖質は、ガラスの破片のようなものです。ギザギザの物質が流れているイメージです。

長年、それが続くと、下記のような疾病等を引き起こしてしまうようです。

糖質が引き起こすもの

・失明

・感染症

・神経損傷

・心臓疾患

・アルツハイマー病

インスリン感受性を低くしない為に出来ること

インスリン感受性が低くなることで、身体全体で炎症が蔓延してしまいます。

炎症

オイラ、怖くなってきたぜ。
どうすりゃいいのか教えてくれよ〜
ごくう
ごくう

お答えしましょう。

それは、糖質と炭水化物の摂取量をできるだけ減らしてあげればいいのです。

他に、炎症を抑えるための方法は、次回の記事でお伝えさせて頂きますね。

グルテンと糖質による血糖値の乱高下が、身体に悪影響を与えていることは理解してもらえたかと思います。

では、グルテンを含まない私たち日本人の主食の「お米」はどうなのでしょうか?

お米はグルテンフリー食材ですからな。
博士
博士

血糖値が急上昇する私たちの【身体の構造】

では、炭水化物について本書の要約を進めていきましょう。

確かにお米にはグルテンが含まれていませんので、前回の記事(⬇️)のようなグルテンの悪影響はありません。

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ただ、炭水化物は、グルテンを含まないものでも、過剰に摂取するとグルテンと同じくらいダメージを受けてしまうことがわかっているようです。

炭水化物と体脂肪

いつも炭水化物を食べていれば、インスリン値は上昇します。

炭水化物

こうなると、本来使うはずの体脂肪を燃料として消耗しないようになってくるんですね。

身体は、口から入ってくる炭水化物の中にある「グルコース」を燃料にするようになっていきます。

グルコースは、分子式 C6H12O6を持つ単純な糖でありますな。
一般的には「ブドウ糖」とも呼ばれておりますです。
博士
博士

そして、その「グルコース」に依存していくようになっていきます。

グルコースを使い切れば、通常なら体脂肪を燃焼し始めるのですが・・・

インスリン感受性が低くなっている方の身体の仕組みは、インスリン値が下がらないと体脂肪を燃料として使わなくなるということがわかってきています。

炭水化物を食べた為に、インスリン値が高いままの状態になります。

本当なら、燃料として使うはずの「体脂肪」を使わなくなっているのです。

しかも、身体はエネルギー不足と勘違いして飢餓状態と勘違いするようですね。

肥満体の人の仕組み

多くの肥満体の方が「体重が減らないんだよ」というのは、この仕組みが働いているからです。

肥満

沢山食べても「飢餓状態」というサインが身体からでますから、更に炭水化物を食べたくなってしまうという悪循環に陥っているのです。

王さま
王さま
腹が減るのがそのサインなんぢゃな。

更に、炭水化物を過剰に摂取していると、別の面でも脳に問題が起こります。

脳は、健康を維持するために脂肪も欲しています。

炭水化物を過剰に摂取していると、この脂肪の摂取量がへってしまいます。脳に別の悪影響が及ぶとも言われています。

血糖値が急上昇することを予防しよう

私たち人間は、脂肪を十分に摂取することで生きています。

脂肪

炭水化物は、新石器時代以前からそうであったように、食べなくても生きていけます。

必要に応じて、肝臓で栄養を作ってくれることがわかっています。

安心して下さい♡

私たちの身体は、良い脂肪を食べることで元気になります。

200万年前からの遺伝子

同時に、私たちの身体はグルテンフリーのお米であっても、全粒穀物であっても、食物繊維が豊富であっても、大量の炭水化物をうまく処理できないという構造になっているのです。

身体構造

根本的に、炭水化物をメインで消化できる構造ではないんです。

高脂質低炭水化物に向いた構造になっているんです。

それは、過去200万年の歴史が証明しています。

代謝は、人類の進化を支えてきました。

高脂肪の食事を口にして、今までの歴史がつながっているのです。

ところが、1万年ほど前に、農業革命が起こりました。

農業革命

ここで、食糧として炭水化物を食事に取り込むようになりました。

私たちは、いまだに高脂肪の食事で生き抜いてきた「狩猟採集民」の遺伝子でできているのです。

この遺伝子が、現代の生活に適応するための変化には5万年〜7万年かかると言われていますな。
博士
博士

今日も働く遺伝子

私たちの遺伝子は、食べ物が食べられない時に備えて「脂肪を蓄積するんだ」という命令を、今日も送り続けています。

命令

炭水化物を食べると、身体はこの命令を忠実に守るので、脂肪を生成して蓄積してくれるのですね。

新石器時代前の祖先は、夏に実る果実くらいしか炭水化物を食べられなかったのです。

これは、脂肪を蓄積して冬に備えるというふうに遺伝子が認識しているんですね。

だからここまで命のバトンをつないでこれたのです。

この仕組みが、現代の私たちを逆に苦しめる結果になっているんですね。

ほんとかよー

じゃあ、これからオイラ、肉中心の生活にするぜー

でも、今更言われてもなー。信じられねーぜ。

ごくう
ごくう

ごくう君の気持ちもわかりますが。

高脂肪低炭水化物の食事が、現代を生きる私たちにも向いているということです。

本書では、丁寧に色々な研究を紹介してくれています。

どうしても気になる方は、一度本書を手にとって、読んでみて下さい。

まとめ

今回、遺伝子のお話まで出てきましたね。

私、このお話は本書を訳されている白澤卓二先生の講演で知ったのですが、すぐに高脂肪低炭水化物の食事に切り替えたんですね。

すでに6年くらいになります。

それで、今日久しぶりに過去の「健康診断の結果」を見てみました。

健康診断

写真も一緒にみてみましたが、本当に太っていましたね。

今はその時より10kg近く体重落ちてますし、体脂肪も減っています。

膵臓も、普通に働いてくれていることを願いますね。

次回は、具体的にどんな食事をすれば合理的なのか、脳にもいいのかについて要約しました。

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参考にしていただき、1つでも気に入ったものがあれば実践につなげられるようにして頂きたいと思います。

本日はここまで。

最後までお読み頂きありがとうございます。

昨日の自分よりも、今日の自分が好きになれますように❤️

著者のプロフィール

本書は、医学博士とライターの方の共作となっています。

デイビッド・パールマター

デイビッド・パールマター神経医師。米国栄養学会会員で、「年間最優秀ヒューマニタリアン賞」や「ライナス・ポーリング賞」をはじめ、数々の賞を受賞されています。医学関係の様々な出版物に著作を発表されて、世界各国で講演されています。

炭水化物と糖質が、人間の脳におよぼす悪影響について、新たな見解をのべた本書は、次々とベストセラーリスト入りとなり、全世界で読まれています。CNNやFOXなど、アメリカ全国ネットのテレビやラジオに出演歴が多数あります。

2015年現在、妻と2人の子供とともに、フロリダ州で生活されています。

クリスティン・ロバーグ

クリスティン・ロバーグ

健康・医療分野を得意とするライターです。コーネル大学を卒業。全米ベストセラーNo1になった本書の他にも『ジエンド・オブ・イルネス - 病気にならない生き方 』など共著が多数あります。

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