誰だってお金がほしいに決まっている!
私、医療介護業界で働き出した20年前の給料の安さを思い出します。
社会的な地位や専門性が認められ始めている2021年現在からすれば、考えられない所得でしたね。
年収は200万円あるかないかくらいでした。
その時は、いいカッコをして「お金が全てじゃない!」なんて言っていました。
「やりがいのある仕事だから」と、自己防衛していたのだと思います。
ただ、やっぱりお金は私たちの生活を豊かにして幸せにしてくれます。
さて、今回も前回に続き「99.9%は幸せの素人」について【要約】していきますね。
※著者のプロフィールは最後に掲載しています。
年収と幸福度の関係
あなたの年収はどれくらいですか?
収入は増えれば、増えるほど感情的にも幸せになることが証明されています。
「お金は全てじゃない」なんてキレイごとをいわずに、お金は稼いだ方がいいんです。
…年収800万円までは。
これは、アメリカの「プリンストン大学」のダニエル・カーネマン名誉教授が「年収と効用の関係」の科学的な調査で証明してくれています。
幸福研究の第一人者として有名人で、行動経済学を創設した人として認識しております。
年収800万円までは、比例して幸福度が上がります。
ところが、それ以上収入が増えても幸福度はほぼ変わらないのです。
年収が倍になると幸福度も倍に?!
じゃあ、それ以上だと…?
例えば、2倍の1600万円になったとましょう。
1600万円まで年収を増やす場合、何を犠牲にして年収を2倍にするでしょうか。
体力と時間をつかい、家族との時間を減らし、休日も減らし…ということが必要になると思います。
その時に上がる幸福度は、どれくらいだと思いますか?
- 2倍
- 1.5倍
- 変わらない
答えは、9%です。
たった9%です。1.09倍ですね。
微妙ですよね。
これは、「年収800万円を超える場合、お金を稼ぐ努力は必ずしも私たちを幸せにする努力ではない」という裏付けにもなると著者は語ります。
お金と時間と幸福感の関係
では次は、お金の使い方をみていきましょう。
科学的に幸せになるお金の使い方があります。
これは、「使う金額」よりも「使った回数」がものを言います。
今の収入の範囲で十分できる方法なんです。
物より思い出
著者の星さんが、心理学の講座で受講生の皆さんに質問することがあるようです。
「これまでの人生を振り返って、嬉しかったこと、感動したことは何ですか?」
受講生の皆さんの答えには共通する特徴があります。
それは、「経験」や「体験」というキーワードでした。
逆に、「昇給」や「宝くじがあった時」「株でもうけた時」という話はありません。
「ブランド物のバッグを買った時」「高級時計を買った時」という話もほとんどありません。
時間が経つにつれて変化する幸福感
経験や体験にお金を使った幸福感は、時間の経過とともに増えていく傾向があります。
その一方で、モノにお金を使った場合の幸福感は、時間の経過とともに減少するんです。
それは、物にお金を使うと、その後に「ストレスになる出来事」が待ち受けている場合が少なくないというのです。
・高級バッグを買ったけど、街ですれ違った人と被った
・汚したり、傷つけたり
・新作が出た時に、自分のものが古くなる
とはいえ、物は買わないと生活はできません。
限られたお金を、どのようなバランスで使っていくかです。
そのためには、物より思い出という訳ですね。
では、実際のところ、どんな思い出にお金を使ったらイイのかについて紹介しますね
幸福度が最大限になる条件
ちょっと頭を使ってみましょう。
皆さん、こんな経験や体験にお金を使いたい!と思うことはありますか?
1つでもいいので、思い浮かべてみて下さい。
・オーロラを見に行く
・クラシックコンサートを聴きに行く
・モルディブ(リゾート地)で1週間ゆっくり過ごす
・豪華客船で世界1週旅行
さぁ、1つ思い浮かべて下さいましたか?
では、4つの条件を紹介しますね。
科学的に証明されている幸福度が高まる4つの条件
次の4つは、お金を使うことで得られる経験についてです。
1 新しい知人や友人が増えて、世の中とのつながりが実感できる
2 この先何年も楽しい気持ちで「繰り返し語ることができる」
3 「自分がなりと思っている自分像」につながる
4 めったにないチャンスを得られる
この4つの条件のうち、1つまたは複数を満たしていると、最大の喜びを得られると言われています。
例えば、1で言えば、自分が好きなイベント主催したり、参加することでしょうか。
新しい習い事を始めることもいいかも知れません。
2は、ちょっと遠方の旅行でしょうかね。
さらに面白いのは、この経験をしている際の「時間の長さ」は幸福度とはあまり関係がないということです。
例えば、オーロラを見に行けたとして、何十万円も使ったとして、15秒ほどだけオーロラを見たとしましょう。
これが1分でも10分でも幸福度はほぼ一緒なんですって。
幸福度が高まる経験の4つの条件に当てはめて、あなたの行動を書いてみましょう。
そして、1つチャレンジしてみましょう。
幸福感が増すお金の使い方
貴重なお金を使う時、「自分にいいことが起きた方がいい」に決まってますよね。
じつは、お金を使う時は、しっかりと「見返り」を求めた方がいいんです。
それを明らかにしてくれた研究があるんです。
カナダのサイモンフレーザー大学での実験です。
サイモンフレーザー大学の実験内容
街で通行人にランダムに声をかけます。
現在の幸福度を確認します。
実験へ協力してくれる人に、約500円または約1500円を渡します。
お金と一緒に、指示書が入っています。
(指示書の内容は下記のAかBかどちらか1枚)
A 今日の17:00までに、自分のためにお金を使って下さい」
B 今日の17:00までに、誰かのためにお金を使って下さい」
つまり、500円か1500円を、自分のためか他人のために使う4つのグループができることになります。
1 自分のために500円を使うグループ
2 自分のために1500円を使うグループ
3 他人のために500円を使うグループ
4 他人のために1500円を使うグループ
研究チームは、協力者の連絡先を確認していましたので、その日の夜に、連絡して2つの質問をします。
「どんなふうにお金を使いましたか?」
「今、どらくらい幸せですか?」
4つグループがありますのでお金の使い方はそれぞれ違います。
コーヒーを飲んだ人もいれば、アクセサリーを買った人もいます。
甥っ子のためにおもちゃを買った人や、ホームレスの人に食べ物を買った人もいます。
さぁ、幸福感が増えたのはどのグループだったのでしょう。
自分のためにお金を使った人より
誰かのためにお金と使った人の方が、幸福度がより高かったのです。
更に面白いのは、金額が500円でも1500円でも上昇した幸福度に違いはみられませんでした。
つまり、金額が少なくても多くても、他人のためにお金を使うことで、幸福感という大きな「見返り」を得ることができる訳ですね。
たとえ、500円でも、誰かのためにお金を使うと幸福感を味わえるので。
「どの場面で人のためにお金を使うか」を決めてみましょう。
そういえば、私の友人の何人かは、何かプレゼントをくれることがあります。
しかもランダムなので、脳もウキウキして貰った時のドーパミンが半端ないです。
友人たちは、そこまで計算してる?
それはさておき、靴下や小さいお土産、飲みに行く前の「ウコンの力」など…。
その友人たちは、いつも幸福度が高いように思います。
まとめ
今回は、年収と幸福度や、物より思い出、お金を使う時は見返りを期待していいし、少額でも見返りが大きいという「お金」を軸にしたお話を紹介しました。
他にも、本書には
「嫌われる勇気は不幸の始まり」
「ポジティブ思考という病から抜け出す」
「あなたの幸せ偏差値を科学的に測定する」
など面白い内容が満載です。
興味がある方は、お手にとってお読みいただきたいと思います。
著者の星さんは、最後にこんな素敵な言葉を残してくれています。
私たちは「何のために」生きているのか?
私たちは「何のために」毎日一生懸命働くのか?
私たちは「何のために」苦しみ、そして悩むのか?
いったい「何のため」でしょうか?
どんな答えだえろうと、行き着く先は「幸せになるため」です。
引用 99%は幸せの素人「おわりに」より
幸せは、人によって千差万別です。
ある人の話に共感できる場合もあれば、「ん?それってどうなの?」と思うこともあると思います。
それでいいんだと思います。
大切なのは、自分がどう感じるかなのですから。
是非、行動レシピを参考に、何か1つでも実践してもらえると嬉しく思います。
本日はここまでです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
あなたの幸せの軸がみつかりますように。
そして昨日の自分より、今日の自分が好きになれますように❤️
もし、ご意見などあれば、私のTwitter(@yuunami7373)やコメント頂けますと、励みになりますし嬉しく思います。
著者:プロフィール
この著作は、2人の共同共作になっています。
星渉 氏
1983年、仙台市生まれです。
大手企業で働いていたが、東日本大震災に岩手県で被災され、生死を問われる経験を経て「もう自分の人生の時間はすべて好きなことに費やす」と決め、2011年に独立起業されました。その後、心理療法やNLP、認知心理学、脳科学を学び始めます。それが原点となり、個人の起業家を対象に「心を科学的に鍛える」を中心に置いた独自のビジネス手法を構築されました。
「好きな時に、好きな場所で、好きなシゴトをする個人を創る」をコンセプトに活動し、わずか5年間で講演会、勉強会には7200人以上が参加し、手がけたビジネスプロデュース事例、育成した起業家は623人にものぼります。
ゼロの状態から起業する経営者の月収を6カ月以内に最低100万円以上にする成功確率は、日本ナンバーワンの91.3%を誇ります。
その再現性の高い、起業家のためのビジネスコンサルティング手法が各方面で話題となりました。コンサルティングの申し込みは倍率92.1倍を記録しています。日本で数千人規模の講演会を実施し、シドニー、メルボルン、ニューヨークなどの海外でも大規模なイベントを行い、グローバルに「好きな時に、好きな場所で、好きなシゴトをする個人を創る」ための活動をされています。
前野隆司 氏
1984年に東京工業大学工学部機械工学科卒業され、1986年東京工業大学理工学研究科機械工学専攻修士課程修了をされています。
同年、キヤノン株式会社入社、1993年博士(工学)学位取得(東京工業大学)。1995年慶應義塾大学理工学部専任講師、同助教授、同教授を経て2008年よりSDM研究科教授。2011年4月よりSDM研究科委員長。
この間、1990年-1992年カリフォルニア大学バークレー校Visiting Industrial Fellow、2001年ハーバード大学Visiting Professor。
専門は、幸福学、感動学、イノベーション教育、システムデザイン、ロボティクスなど。
『幸せのメカニズム』(講談社現代新書)、『幸せの日本論』(角川新書)、『脳はなぜ「心」を作ったのか』(筑摩文庫)、『システム×デザイン思考で世界を変える』(日経BP)、『思考脳力のつくり方』(角川oneテーマ21)など著書を多数手掛けておられます。
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