デジタルとAIの未来を語る

デジタルとAIの未来を語る

今回は、2020年12月に売り出されて大反響!即増刷となった「デジタルとAIの未来を語る」を要約し、感想を書いてみました。デジタルとAIの未来を語る

皆さんは、AIと聞けば、どのような印象をお持ちでしょうか。

AIが進化して、人間の仕事を奪っていき、
どんどん「失業者が増える」のではないかという話は聞いたことがありますな。
博士
博士

私も博士のような話は、どこかで耳にしました。

そんな心配が、スーッと消えていく本書になっています。

また、超高齢化社会の課題がある現代の日本でも、デジタルやAIの技術が進めば、若者も高齢者も活躍できるチャンスがあるなという可能性を感じた1冊でもあります。そのためには、世代を超えたコミュニケーション、とっても大切!と感じました。

といことで、内容に入っていきましょう。

著者のプロフィール紹介

著者:オードリー・タン氏。オードリー・タン1981年台湾台北市生まれです。幼い頃からコンピューターに興味を示し、12歳でプログラミングを学び始めました。15歳で中学校を中退、プログラマーとして独立。

2014年にはアメリカApple社でデジタル顧問に就任し「Siri【シリ】」等の高レベル人工知能プロジェクトに加わっています。

35歳の時、史上最年少で行政(内閣)に入閣し、台湾のデジタル担当政務委員をされています。台湾での新型コロナウィルス感染を封じ込めた中心人物としても活躍中。

「デジタルとAI」:台湾の事例

台湾は、デジタル技術を利用し、新型コロナウィルスを早い段階で封じ込めることが出来た数少ない国です。注目も浴びています。

台湾

台湾では、2020年1月に1人目の新型コロナウイルス感染者が確認されました。

台湾は対応が迅速でした。1人目が確認された翌日には、中国武漢からの入国者を拒否しました。

その直後には、中国から観光客などの入国を全て禁止するという対応をとっています。

台湾のデジタル活用

台湾はどのようなデジタル活用を行ったのでしょうか。

まず、スマートフォンを利用して感染経路の確認に努めました。

新型コロナウィルスと接触した可能性のある人に「メールが届く」システムをすぐに作りました。

メール

次に台湾政府は、民間企業に「マスクの追加製造」を要請しました。

製造されたマスクはすべて政府が買い取り、すべての国民にマスクが届くようにしました。一部の人の買い占めや転売をすぐさま予防したと言う事ですね。

このように、台湾では極めて初期に迅速で適切な対応が行われてました。

ちなみに台湾は、ロックダウンや一斉休校、飲食店への休業要請などは一切行っていません。

さらに驚きなのは、GDP2.5%も上がっていることです。

「デジタル」技術を活用したマスク諸事情

マスク配布については、日本でも大きな課題でした。安倍晋三 元内閣総理大臣より、マスクが届けられましたね。皆さん、使われました?マベノマスク。

マベノマスク

台湾では、面白い取り組がされていました。

「マスクマップ」と呼ばれるものです。

テクノロジーを活用したもので、アプリを使い「薬局」にあるマスクの在庫状況を把握していたのです。

スマホ(アプリ)の操作に慣れていない高齢者はどうしていたんだ?!気になるぜ。
ごくう
ごくう

高齢者対策としては「チャットボット」というシステムを作りました。マスクの在庫がある「最寄りの薬局」をメールなどでお知らせするサービスです。

この「チャットボット」は、最初はある1人の国民の親切心から始まりました。「薬局の在庫状況」を地図アプリに公表していったのです。

この取り組みにいち早く政府が目をつけ、国としてのシステム作りに移行していきました。

国民と政府の距離が近く、信頼関係が非常に強い国だと感じました。

「デジタル」や「AI」の未来

著者のタンさんは「必ずしも、すべての対応にデジタル技術が必要ではない」と主張を繰り返しています。

新型コロナウィルスの対策を例に、一緒に考えてみましょう。

王さま
王さま
皆のもの、最も有効な感染予防対策ってなんぢゃろうか?

そうですね。石鹸を使った手洗いですよね。

手洗い

アルコール消毒も有効です。あと、マスクで飛沫を予防することです。

一人一人が、手洗いと消毒、マスクをしっかりすることです。

ただ、デジタル技術だけでは一人ひとりの行動をコントロールすることは難しいですよね。

デジタル技術でできる事は「有効な対応策」の情報を素早く広めることです。

スピード感を持って対応することが現代では可能です。

「AI」に人間の仕事が奪われる?!

今、AIがすごい勢いで進化しています。

AI

スマホに話しかけるだけで、好みの音楽を流してくれます。日用品なら「アレクサ」の一言で明日には届く時代です。

IoT【アイオーティー】いわゆる「物のインターネット化」で、お風呂や自宅の電気、エアコンまで離れた場所で操作できる時代です。

そんな中「シンギュラリティ」と言う言葉が出てきました。2045年には、AIが人間の知能を追い越していくと言うような仮説です。

シンギュラリティ

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、AIなどの技術が、自ら人間より賢い知能を生み出す事が可能になる時点を指す言葉です。

確かにAIは、人間では太刀打ちできない膨大なメモリー(記憶力)があります。

プログラムすれば、人間より遥かに少ないミスで、しかも凄いスピードで単純作業をこなすでしょう。

ただ、AIでは判断できないことも、沢山あります。

例えば、人間同士のコミュニケーションや、人間の五感が必要になる仕事などは、AIでは困難でしょう。最終的な責任や判断も人間でしかできません。

ちなみに本書では、2020年現在ではAIのレベルは小学校12年生程度だと主張しています。

「AI」ができない仕事とは?

「AI」が出来ない仕事についても考えてみましょう。

本

例えば、本の出版について。

本は、執筆活動が必要になります。執筆した下書きを、編集者の方とすり合わせながら、記事全体に活力を感じさせるためのバチバチのやりとりをします。これは、AIには難しいことではないでしょうか。

仮に、将来できるようになったとしても、最終的な責任はやはり人間がとる必要があります。

結局、AIは人間を補助するための「道具」であるという認識が大切ではないでしょうか。

人間が行っていた仕事の一部は、AIが担ってくれるでしょう。

でも、仕事の最終的なクオリティーは、人間が責任を持つのです。

AIは、あくまで人間の補助的なものです。

「AI」はそもそも人間と比較するものではない

面白い例え話があります。

自転車

例えば、早く移動するという目的があったとしましょう。

人間だと、走って移動する手段があります。

そこに自転車の登場です。自転車の方がもちろん移動速度は速いです。

自転車の方が早いからもう、人間が必要ないって事にはならないですよね。

AIも自転車と一緒で「道具」なのです。

大切な事は、人間がどのような理想とする未来を描いて、AIをどう上手く活用するかと言うことではないでしょうか。

「デジタル」や「AI」がもたらす未来の懸念点

テクノロジーが進化するとともに、懸念されることがあります。

取り残される高齢者

それは、デジタルになじめない高齢者が取り残されてしまうのではないかと言うことです。

一部の人間だけが便利な生活になり、一方で置き去りになってる方がいるなんて、寂しいですよね。

著者のタンさんが凄いと思うのは「誰も置き去りにしない社会を目指す」と宣言しているところです。

それを実現するのが「デジタルとAIの活用」だと言うのです。

デジタルを使わないというのは時代遅れという認識ではなく、デジタルを使うとすべての人が利益を得られる。そういう国を目指しているのです。

台湾がいかに先進的で、バランスのとれた考え方を持っているのかということがわかりました。

では、日本はどうなんでしょう?

実は日本にも、台湾に勝るとも劣らない素晴らしい文化がありました。

「AI」と人間の関係は【ドラえもんとのび太の関係】が望ましい

台湾にもドラえもんアニメがあるのでしょう。著者のタンさんはご存知なようです。

のび太とドラえもん

ここでは、のび太くんが「人間」でドラえもんが「AI」と考えてみましょう。

ドラえもんの役割は一体何なんでしょう?

のび太くんがやりたくないことをさせることでしょうか。

のび太くんに何かを命令することでしょうか。

逆に、ドラえもんがいるからといって、のび太くんがサボると言うのも違うでしょう。

ドラえもんの役割は、のび太君を成長させることです。

ドラえもんはとても優秀なAIです。便利な道具もたくさん出してくれます。

だからといって、のびた君は無条件にドラえもんを信頼しているわけではありません。

のび太くんは、しずかちゃんやスネ夫・ジャイアン、他にも家族などに囲まれて生活しています。みんなとコミュニケーションをとりながら交流を図っています。その中で、時に知恵を働かせながら、失敗もしながら、楽しく毎日を過ごしています。

私たち日本人は、幼少の頃からこういった「人間とAIの良好な協力関係」を見ています。知らない間に学んでいるんですよね。これは、1つの良い例であると私は感じました。

日本には、台湾に勝るとも劣らない教育を、アニメと言う分野から受けていたわけですね。

デジタルとAIの未来を語る【おわりに】

本書を読んで感じた事は、著者のタンさんはとても優しい心の持ち主だなぁということ。

特に、将来のビジョンがとても共感できました。

私は、都市の設計を考える場合、軽度の認知症の人にやさしい街が最も良いのではないかと思っています。そして、より多くの軽度認知症の人が社会活動に参加することで、軽度の人が、中度あるいは重度の認知症にならないように予防することも可能になるでしょう。

デジタルとAIの未来を語る より

すばらしい考え方だと思いました!

他にも、高齢者の「生活の不便さ」を世代を超えた対話により聞き取ることが重要です。デジタル活用を可能にしていくのは大多数が若者なので、世代を超えたネットワークがとても貴重であると感じた良書でした。

対談

他にも、本書には下記のようなことが書かれております。

本書に書いてあること

デジタル技術は「誰でも使える」ことが重要

デジタルは多くの人々が一緒に社会や政治のことを考えるツール

インクルージョンや寛容の精神は、イノベーションの基礎となる

様々な学習ツールを利用して学ぶ生涯学習が重要になる

テクノロジーで解決できない問題に対処するために美意識を養う

※インクルージョンとは、包括的で全体をまとめるという意味

心優しい著者のタンさんの主張が、随所に散りばめられている良書になっています。ご興味ある方は、是非お手にとって下さいね。

本日は、ここまでになります。

最後まで、お読みいただきありがとうございます。

このような若者が、隣の国で大臣ポストで活躍しているのは、とても心強いです。人類の財産ですよね。

私にも、何かできることはないかなと画策してみます。

昨日のご自身より、今日のご自分が好きになれますように♡